循環ポンプ用語解説

全水量

水槽、ろ過槽など水槽システム全体の水量のことです。

流量

ポンプから吐出する水の体積のことで、レイシーでは1分間に吐出する水の体積で表しています。

全揚程

ポンプの吸込み液面と吐出液面の高さの差と配管抵抗がプラスされた数値です。

上部ろ過では無視できますが、下部ろ過では全揚程の計算が必要です。下記イラストと計算式をご参照ください。

全揚程=A (吐出側高さ)
    + a(吐出側配管抵抗)
    ± B(吸込み側高さ)

    + b(吸込み側配管抵抗+ろ材の目詰まり抵抗)

注+:吸上げの場合(ポンプが水面よりも高い)
 ー:押込みの場合(ポンプが水面よりも低い)
 (クーラーの配管抵抗は0.5〜Max.1mみれば十分です。)

モータ入力

モータの消費電力のことです。

電気料金の求め方

(消費電力30W、年間連続運転、電気料金を20円/1kWhとした場合)

1年間のおおよその電気料金 =20円×0.03kW×24時間×365日=5,256円

サーマルプロテクタ

モータの過負荷などによる異常過熱時にOFF回路が働き、焼損などの事故を未然に防ぐ保護装置です。レイシーポンプRSD, P, RMD, MD, APNシリーズなどに標準装備されています。

尚、モータ温度が下がれば回路は自動的にONに戻りますが、再運転は原因を排除してから行ってください。

キャビテーション

ポンプ吸込み側は低い圧力(真空)となるため、液体から気体に変化しやすく、ポンプ内でこの現象が発生することをキャビテーションといいます。

吸込み側のろ過槽の目詰まりや、バルブの閉塞(吸込みを細くした時)などにより起こります。

キャビテーションの弊害と防止方法

• キャビテーションの弊害:振動や騒音を発生するとともに、吸込み不能やさらにはポンプ損傷を招きます。

• キャビテーションの防止方法:ろ材の目詰まりを防ぐとともに、バルブの開閉は吸込み側でなく吐出側で行なってください。また、吸込み配管は太く短くし、できるだけ押込み配管(ポンプが水面よりも低い)にしてください。

性能曲線

ポンプの流量と揚程の関係を表したもので、これを性能曲線と呼びます。オーバーフロー水槽など、揚程のある場所で使用するポンプの選定に必要なグラフです。

呼び水

始動前にポンプと吸込み配管内を満水にすることです。

非自吸ポンプ RSD, RMD, MD, MX, MDMシリーズで、吸込み液面がポンプより低い場合は呼び水が必要です。

フート弁

吸込み管の底部に取り付ける逆止弁です。フート弁を取り付けることにより、非自吸ポンプでも一度呼び水すれば始動の都度呼び水せずに運転できます。

ただし、長時間停止後の再始動時には、自吸して揚水したかよくご確認ください。

自吸ポンプ

ポンプ自身の力によって呼び水を自動的に行ない、揚水を始めるポンプです。完全自吸タイプと最初だけ呼び水が必要なタイプ(SMXシリーズなど)があります。

ポンプ選定の目安

全水量に対して、どのくらいのポンプ流量が必要か求めます。

 exp_pump4.gif

全水量(L /min)= a+b
a:水槽水量(水槽の外形寸法で計算してください。)
b:ろ過槽水量(使用する水位を高さとして計算してください。)
A:1時間あたり全水量を何回転させるか

選定例
全水量400Lの時、1時間あたり6回転させたい場合の適合ポンプ流量を求めます。

 exp_pump5.gif

アドバイス
水槽システムが下部ろ過/オーバーフロー方式の場合には、システムの全揚程を確認の上、ポンプの性能曲線で選定してください。余裕のあるのポンプを選定し、ポンプ吐出側にバルブを設けて流量調整すると便利です。

予備ポンプの購入を推奨
ポンプは水槽システムの心臓部です。24時間休みなしで働くタフなポンプでも、ベアリングの摩耗、モータ劣化などにより故障することがあります。大切なサカナのために、予備ポンプの購入をお勧めします。